【ひみつの花園 】1997年邦画 結索でお金を掴む西田尚美が傑作な日本映画の名作

Comedy.Lovecome.コメディ.ラブコメ
夢を叶えるためにただひたすら突っ走る
咲子が叶えたい夢と、起こした行動があまりにも突飛であった。
 鈴木咲子(西田尚美)は小さい頃からお金が好き。無愛想で可愛げのない子供であったがお金を見ている時だけは幸せそうな笑顔の子供らしい表情をした。
$初めてのデートで喫茶店に入ろうとした時の一言「おごってくれるならお金ちょうだい。」が原因で振られてから男縁(円)はなくなった。
$短大卒業後も相変わらずお金以外に興味がない咲子に、「そんなにお金が好きなら銀行へ就職したら」と親の勧めで面接を受けた。
面接官の質問「趣味は何ですか?」に「お金を数えることです。」と素直な返答が功を奏し無事就職決定。

ある日勤務中咲子は、銀行強盗の人質になり連れ去られた。
逃走車が崖から転落し、5億円入ったツーツケースごと滝壺に落ちる。
無事命拾いし病院に保護された時は、開口一番「労災効くかなあ」と、咲子らしい。
5億円は犯人もろとも燃えて廃になったと報道されていたが、咲子だけは樹海の川底に沈んでいることを知っていた。
咲子の家族構成は
父・鈴木幹雄(鶴田忍)
母・鈴木富子(角替和枝(実生活では榎本明の妻で子供は俳優の柄本佑と時生))
趣味こそ違え咲子によく似た妹・鈴木美香(田中規子)
平凡な家庭だけにかえって咲子のお金に対する執着の強さに異様さを増す。
ドラマは淡々とした口調で咲子が日記を棒読みするようなセリフが挿入されている。
咲子が激流に流されるシーンなどはお人形だとわかるのだがなぜか人形も咲子らしくて不思議と違和感がない。
《ネタバレ含みます》
退院後だらだらとした日々を過ごしていた咲子。
その時テレビで一般の人が踏み込めない樹海の地質調査している様子を見聞きし、そのまま形振り構わず電車を乗り継いで多摩川大学地質学の森田教授に会いに行った。そこには助手で女好きの江戸川(利重剛)もいた
大学に入学すれば樹海について学べると聞きすぐに銀行に辞表出し定期預金も解約、受験を決意。
上京しボロアパート借り猛勉強、見事に補欠繰り上げで合格を果たす。
樹海研究のため地質調査用の器材を購入、崖を登り降りするためにロッククライミングの練習、川底に潜るためにスキューバーダイビングスクールへ、だが泳げなのでスイミングスクールも、、、と次々に挑戦していく咲子、教習所で車の免許も取る。
大学では勉強熱心で翌年の特待生にも選ばれるが、既にお金を使い果たし家賃も今年の授業料も払えない。
今度は大学を中退しランジェリーパブで「チューリップちゃん」としてバイトを始める。
しかし、笑ってしまうほど色気がない。
スイミングスクールでは地区の水泳の大会で優勝すれば30万もらえる約束で出場し優勝、
ロッククライミングではコンペ賞金125万のため出場万し優勝、に続きオーストラリアのエアーズロック大会にも賞金目当てで飛んでいく。
エアーズロックの頂上の石をお土産に森田教授に会いに行ったところ研究助手になる事を勧められる。
優勝賞金で車を購入し、さあ、いよいよ5億円の入ったスーツケースを探しに、、、、
前向きに行動する彼女に徐々に惹かれて行く助手江戸川は、スーツケースのありか(お金の行方)も気になっているのだが、、、、
不純な動機が身を結び名誉を積み重ねる》
ともあれ咲子はとどまる事を知らない人生のチャレンジャーである。
次なる咲子の目標はオーストラリアバミューサトライアングルで金塊探しのため船の免許取得。
《感想》
咲子はお金を使う目的で貯めたいとかではなくお金を所有することが好きなんですね。
お金獲得の副産物で取った地位も資格も名誉も興味がないし、色恋にも興味なく鈍感。
人目を気にせず自分の夢を追い続ける咲子の一人舞台のようにドラマは進んでいますが周りの反応も面白いです。
ストーリーのあるサバイバルゲームを観ている気分になりとにかく最初から最後まで目が離せない傑作です。
アンニュイで無気力そうな表情をしながらバカ力を発揮する咲子役の西田尚美がとても魅力的でした。
また江戸川の元カノ役伊丹弥生(加藤貴子)が咲子に嫉妬し、そのストーカー行為はやがて水泳オリンピック強化選手に選ばれるまでに変わっていく過程もコミカルで一つのサクセスストーリーになっています。
普通のドラマにありがちな、お金が水の泡になるような結末になっていないのは意外な気もするし嬉しくもなる。
後世に残したい矢口史靖監督の実に愉快な作品。
*VHSには1996年度の作品と記載されています。ⓒ1996TOHO CO,.LTD.ALL rights reserved.
当時独特のパフォーマンスでヒットしたバンドモダンチョキチョキズのリーダー矢倉邦晃が音楽担当 、ボーカル濱田マリが脇役で出演。
咲子の心境を表わすうなエンディング、矢野顕子の歌う「春咲小紅」(はるさきこべに)が爽やかに流れる。
《矢口史靖監督のキーワード・伊丹 弥生にも注目》
全ての映画は観ていませんがしばしば脇役に登場する同姓同名の人物で興味深いです。
『ひみつの花園』伊丹弥生(加藤貴子)江戸川の元カノ役
『ウォーターボーイズ』伊丹 弥生(秋定里穂) 女子高の文化祭実行委員。
『スウィングガールズ』伊丹弥生(白石美帆)   山河高校音楽教師  
『ロボジー』伊丹弥生(田畑智子)ケーブルテレビ局のディレクター
1991~1992年NHKで放送されたアニメにも同タイトル『ひみつの花園』がありました。
こちらはフランシス・ホジソン・バーネットの著書『秘密の花園』(同タイトルの映画もあり)のアニメ化です。
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