【雨の日は会えない、晴れた日は君を想う】2015年アメリカ映画・僕がボクのイス以外に座ることの気づきDemolitio

AMERICAN
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』は実に効果的な邦題である。
原題のDemolitionのまま『破壊』とタイトルしていたら国内の興行成績は下がっていただろう。
タイトルの意味は結末近くで亡き妻ジュリアが車のサンバイザー残したメモに書かれていた言葉、茶目っ気のある比喩表現のつもりだったようだがデイヴィスにとっての転機となる出来事のひとつ。
《自分以外のことに無関心な男》
妻ジュリア (ヘザー・リンド)が追突事故で亡くなった。同乗していたデイヴィス・ミッチェル (ジェイク・ギレンホール)は無傷だった。
病院の待合室で自販機のm & m ‘sのピーナッツが食べたくなったがお金を入れても商品が出てこない。
葬儀の最中に自販機会社に苦情と自分の状況報告を長々と手紙に書いた。
デイヴィスは妻を亡くしたことへの周囲の同情をよそに、涙が出ない。
それは強さからではなく、突然で実感できないのとも意味合いが違い、妻の死に対し悲しい感情を持てないということ。
根が冷たいのではなく自分以外のことに無関心過ぎたのだ。
事故の直前、ジュリアが言っていた言葉を思い出した。
『冷蔵庫が2週間前から水漏れを起こしている。お父さんがクリスマスにプレゼントしてくれた工具で直して。』
冷蔵庫にメモが貼ってあったことにさえ気づかなかった。工具のことも全く覚えがない。
留守電でジュリアが荷物が届くことを聞いていながら全く記憶にとどめていない。
近所の人の志か、玄関にお鍋に入った食料や花が置かれているがその好意さえも気づかない。
翌日花が増えていてもやはり気づかない。
自分は妻を愛していたのだろうか。悲しめない原因は何だろう、デイヴィスは自問を始める。
友人に大学卒論を書かせ、妻の父フィル・イーストウッド (クリス・クーパー)の会社に就職し苦労なく生きてきた人生。
髭や胸毛を剃り、眉毛を気抜きで整え、自分のことにだけは気遣いができていたが、そばに置かれた櫛にジュリアの毛が付いていることも無関心だった。
大木が倒れていても目では見ていても記憶な中にとどめていなかった自分、、、、
フィルに「心の修理は車の修理と同じだから分解して見極めてみろ」と言われ身の回りのあらゆるものを解体し始めたのだが、、、、
一方苦情の手紙を受け取った自販機会社のカレン・モレノ (ナオミ・ワッツ)は、彼の手紙に共感する部分があり涙した。
心配になり夜中に電話をかけたり変装して同じ電車に乗り込んだりしているうちにふたりの間には次第に友情が芽生え、やがで愛情に変わっていく。
デイヴィスも徐々に周りの景色の変化を感じるようになり、、、、
問題児のカレンの子供クリス・モレノ( ジュダ・ルイス)とも次第に距離が縮まっていく。
【雨の日は会えない、晴れた日は君を想う】↑予告
公式サイトame-hare-movie.jp/
《もったいない部分》
細かく凝った内容であるが、凝りすぎて鑑賞者が一度通して観ただけでは見落としてしまう部分がある。
主人公デイヴィス同様、鑑賞者も瞬時に細かい部分に気づく人とそうでない人がいる。
それと設定(脚本)が少し甘いように感じた。
編集前の繋いだ状態のようで排除しても良い部分や、もう少し関連付けしたほうが良い部分を一考した方が統一感が出たかもしれない。
このドラマでは美しく描かれているものの苦情処理係のジュリアが心配しあとを追いかけたり夜中に電話することは悪く言えばストーカー行為でもある。
破壊することで自分を見つめ直し人間らしさが戻るのはわかるが家の家財などここまでやったらものを粗末に扱うようでもったいないと思ってしまう。
カレンの子供クリスにも手伝わせたり防弾チョッキを着た自分を拳銃で撃たせるシーンが危険すぎる感じがした。
また細かいことに無関心で他人への気遣いを知らない主人公が有能な社員という設定も疑問視する。
カレンがレイというフランス人の古物商(大麻の売人)をジュリアに紹介したシーンは雰囲気のある美しい光景であったしここで見たメリーゴーランドがのちに必要となるためには必要なシーンだと理解するが、切り出し方が不自然でこじつけがましくも感じた。
マイマイ蛾のエピソードももう少し着色して欲しかった。
妻ジュリアが内緒で別の男の子供を中絶していたという設定もこの内容には似つかわしくないのではないか。せめて他に男がいたというよりはデイヴィスの自分への無関心さを悲しんでの浮気だった程度に留めておくべきでは、、、
それにデイヴィスを愛していたなら中絶の証拠なんぞは残して置かないはず、、、、
ジュリアの遺産で運営する奨学金で授与が決まった好青年がカレンを挑発するシーンもなんだか中途半端。
多少おかしな設定や意外性があってもいいのだが繋ぎ方が不自然なのだ。
エピソードの守り入れすぎや、流れが分断されているような部分に引っかかってしまったのですが、決して批判するつもりではなく特に終盤は涙する場面もあり挿入曲も効果的で、もっと良くなりそうなのに、残念と感じた部分です。
《全体の感想
終盤でセリフが入らず場面のカット画像によって内容展開を表現しているところも良い演出でした。
自宅のテレビに映っている猿たちがしきりにグルーミングしているのも、それに無関心なデイヴィスも言わんとするメッセージです。
特にジェイク・ギレンホールの崩壊や、街中を踊りだすシーンなど圧巻の演技力。
デイヴィスが徐々に感情を取り戻し他人を思いやる心を持つようになる経緯がよく描かれています。
クリス・クーパーの大物俳優としての存在感はいうまでもなく、カレンの子供クリス役の ジュダ・ルイスも少年らしさともしかするとゲイかもしれない不安や揺らぎカミングアウトするシーン、演技と美しさに目を見張りました。
豪華キャストの名演が欠点をもカバーしたともいえる、感動映画でした。
『愛をおろそかにしていた』は、名言です。
監督 ・ジャン=マルク・ヴァレ 上映時間111分
ジェイク・ギレンホール出演おすすめ映画
★★★★★ブロークバック・マウンテン
★★★★遠い空の向こうへ 
★★マイ・ブラザー
★★ドニー・ダーコ 
★★『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』
★★『複製された男』
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