【ミス・シェパードをお手本に】2015年イギリス映画アラン・ベネット体験実話The Lady in the Van

Documentary.実話
芸術家や芸術に関心の深い人々が多く集まるロンドン中心部の特別区カムデン・タウン(Camden Town)。
この地に引っ越してきたイギリスの劇作家アラン・ベネットが15年間に実際体験した日常生活の出来事をコメディータッチで再現している。
監督はニコラス・ハイトナーだが、ウディ・アレンのコメディ映画のような作風で物語は進む。
ふたりのアラン・ベネット(アレックス・ジェニングス)が時々同じ場面で同時に登場している
執筆する作家のベネットと日常生活を過ごすベネットの名目であるが、体裁を取り繕った外顔の自分を、心の声を発する自分が説得しているようでその特撮も面白い。
カムデン・タウン(Camden Town)
あらすじ
1970年、アラン・ベネットは13,500ポンドという格安価格でカンデンの戸建て住宅を手に入れ引っ越してきた。
今の価格にすると日本円で約198万弱相当のようだがそれが50年前であっても安すぎると感じる。
曰く付き物件であった訳ではないようだが、この地区には路上に車を駐車し車中で生活するホームレスの老女がいた。
老女の名はミス・(マリア)・シェパード (マギー・スミス)。
住人たちは彼女が移動して自分の自宅前に駐車されることを嫌がってはいたものの、場所柄か邪険にもできずおすそ分けなどもしていた。
その理由に、ヴィクトリア時代の邸宅が並ぶこの地区ではリベラルと富を手に入れた人々が多少なりともシェパードを受け入れることでその罪悪感や良心の呵責からの解放される手段のような精神も含まれていたからだ
この地区を選ぶイギリス人特有のスマートさを感じられる。
だかシェパードはその好意に対し悪態をつくばかりでお礼の言葉すら言わない。
そんな彼女を子供達は感じたまま「魔女」と呼んで逃げていた。
ある日シェパードは住まいでもあるグレイの車をカラフルな黄色に塗り替えていた時のこと、道にイエローラインが引かれこの地区の路上駐車が規制された。
今後の行き場を失ったシェパードに手を差し伸べたのがベネット、自宅の駐車場(入口の庭)を提供したのだ。
同じ時期に遠方に住むベネットの母が認知症を発症しはじめていた。
ベネットは母を引き取ることができずのちに施設に預けているがその思いもシェパードと交錯していたようである。
シェパードは教会の慈善で高貴な婦人から新車を寄付してもらいベネットの敷地で3ヶ月の約束が結局15年暮らすこととなった。
15年の歳月で次第に明らかになるシェパードの過去や本名
バンのフロントガラスの左のヒビの原因。
過去にマーガレットと呼ばれ、時々男がやっきた男の正体。
シェパードが急に怯えたり、激しく祈ったり、懺悔に行く理由や修道女の経験
音楽を露骨に嫌がるくせに詳しいことやフランス語をつぶやいたり堪能に話せる理由。
そして彼女に隠されていた素晴らしい才能と過去の経歴。
 
予告動画↑
【ミス・シェパードをお手本に】オフィシャルサイト http://www.missshepard.net/
感想
シェパードが「選んだ生き方じゃない、選ばれたんだ」と言ってはいましたが、彼女の才能を奪ったのは司祭との会話に行き違いがあったかもしれないと感じたしシェパード自身もどこかで気づいたことのようです
「見返りもあった」とは言ったものの、見返りよりも失った才能の方が計り知れない大きさ、、、、シェパードがとても不憫でした。
ベネットの庭に住んだ15年間に変わることが出来ていたらと残念に思う一方、ベネットがシェパードのことを、「彼女の体臭は甘いかすかな尿の匂いと濡れたウールや生で食べる玉ねぎと湿った新聞紙の混ざった匂いにラベンダーのパウダーを叩いた香り」とできる限り上品に表現しながら緊急時に使わせたトイレを大掃除していることや、教会の懺悔室は次の訪問者用に消臭スプレーが用意されていたり、止められたバンの脇にシェパードの便が落ちハエがたかってそれをベネットが掃除していた様子などから、実際は映画をはるかに超える悪臭や不衛生さ、費やした手間や時間もあったと思う。
シェパード(本名マーガレット・フェアチャイルド)の弟がベネットに「あなたは聖人だ」と言った通り15年も受け入れたこと自体普通できることではありません。
黄色く塗られたバン(車)が年とともに古びてくる様子や、最後にベネット邸に飾られたM・T・シェパード住居跡のプレートも印象に残りました。
オープニングと結末の若き日のシェパードも老婆のシェパード勇ましさとリンクして感動しました。
タイトル通りの『お手本』にはしたくないですが、『生き方の例文』としての参考書になります。
深夜にベネットを訪問してくる男たち、ラストに登場する男の存在は映画の中でもアラン・ベネットが、ゲイであることを匂わせています。
ミス・シェパード役のマギー・スミスは実年齢80歳ですが80歳とは思えない名演技で15年間で徐々に足腰が弱ってくる変化と汚れた頑固な老婆を見事に演じています。
30歳を過ぎて頭角を現した遅咲きの女優さんですが多くの有名な作品で活躍され、今も現役で素晴らしいパワーです。
関連するお勧め邦画・『ヨコハマメリー』2006年日本映画・実話ドキュメンタリー。
老女になっても横浜の街角に白塗り化粧で立ち続けたホームレスの娼婦の過去を追う実話。
波止場から旅立った英兵をいつかきっと戻ると信じて待っていたようなエピソードや突然姿を消したその後にも涙します。[amazonjs asin=”B06WLMDH4S” locale=”JP” tmpl=”Small” title=”ミス・シェパードをお手本に DVD”][amazonjs asin=”B000JJRW5S” locale=”JP” tmpl=”Small” title=”ヨコハマメリー DVD”]

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