【マダム・イン・ニューヨーク】2012年インド映画★目で味わうラドゥーの美味しさと英会話のマスターEnglish Vinglish

Comedy.Lovecome.コメディ.ラブコメ
インドで知らない人はいないと言われている大女優シュリデビ(シュリデヴィ) 15年ぶりの復帰作であり、公になっている映画では遺作となった作品
監督脚本・ガウリ・シンデー 上映時間134分
英語さえ喋れたら、、、、、
そんな悩みは日本だけじゃなく英語圏以外の世界各国共通にあった。
《前半のあらすじ》
インドの美しい女性ゴードボーレ家のシャシ(シュリデビ)は夫のサティシュ( アディル・フセイン)と思春期の娘のサプナ、わんぱく息子サガル、そして姑との5人暮らし。
夫は留学経験があり英語が堪能なビジネスマン、子供達もインターナショナルスクールに通学し英語が得意。
古風で貞淑な妻の美味しさであるシャシは美しく心優しくみんなに愛されている。
専業主婦であるが料理が得意で、特に手作りのお菓子ラドゥー( laddoo लड्डू ・豆粉の落雁)は注文がくるほど定評がある。
大きな家に住み経済的にもかなり恵まれている様子で一見幸せな家庭に見えるのだが、シャシの弱点は英語が話せないこと。
シャシは子供とは真逆の、英語を一言も許さないヒンディー語の学校に通っていた。
英単語(例えばジャズをジャァズ・ダンス)の発音間違えただけでも家族に苦笑され傷つくシャシ。
多忙で行けなくなった夫の代わりにサプナのPTAで学校ヘ行くが友達のルパルのお母さんからは英語で話しかけられ、先生との面談でも言葉がわからずヒンディー語で話すようお願いする。
ある日、姪のミーラが結婚することになり出席するためニューヨークへ行くことになった。
夫に先立たれ多忙な姉マヌを手伝う準備のため、夫や子供より3週間早くひとりで渡米したシャシ。
機内で隣の席に座っていたのインド人の紳士( アミターブ・バッチャン)は始終シャシを気遣い「何事も初めては1度だけ、その1度は特別な体験だから楽しんで」と励ました。
無事ニューヨークへ着いたシャシであったが、ひとりでコーヒーの注文さえできずに自己嫌悪を起こし泣いた。
涙を拭いた目に映ったのはバスの看板、NYCLの「4週間で英語が話せる」だった。
姉が仕事で留守中に、なんとかNYCLへ電話を繋いだシャシは授業料が4週間で400ドルと言われた。
日本人の感覚では安いのではないかと思うが、インドの物価が日本の5分の1と考えると豊かな暮らしをしているとはいえ主婦の身分では大きな出費である。
ラドゥーを売ったへそくりなどをかき集めたシャシは本日が初日と言われあわてて1ヶ月の集中特訓クラスに滑り込んだ。
シャシの姉や姪のミーラと次女のラーダにも内緒であったがラーダにはバレてしまった。
ラーダはシャシを応援し、のちに夫や子供達に対しても教室通いを隠すためアリバイ作りを協力している。
教室にはゲイのデヴィット・フィッシャー先生をはじめ、べビーシッターのメキシコ人、運転所のパキスタン人、フランス人シェフのローラン(メーディ・ネブー)IT企業に勤めるインド人、美容師のユソンなど様々な人種職業の人たちがいた。
クラスの仲間たちとも友情が芽生えシャシの英会話もメキメキと上達していく。
特にローランはシャシに対し特別な感情を抱きシャシの心も揺れ始める。
複雑な想いの中、授業も残り1週間となったところでサプライズで夫と子供達が早くやってきた。
ラーダの協力で家族に内緒で教室に行っている間サガルが怪我をしてしまい、、、、
ローランはシャシに思いを告げ、密かに惹かれあっているように見えるが、、、、
結婚式の当日に最後の英会話の試験に出かけようとするシャシに起こる悲劇、そしてそのあとで見せるシャシの素晴らしいスピーチとインド映画特有のダンス、後半も見逃せない。
そして、シャシの強みは、夫の胃袋を掴んでいる料理の腕でもあるのだ
↑予告動画
 公式ツイッター https://twitter.com/madameinny
*劇中、シャシが英会話スクールの仲間たちと観た映画『雨の朝巴里に死す』1954年アメリカ映画
《感想
シンプルな筋書きですがなんといっても演出の良さが映画を大変面白くしています。
女性の監督らしい繊細さと優しさに溢れています。
シュリデビの一人舞台のような構成になっていますがそれが十分に通用する魅力的な主役であります。
とても50歳とは見えない若さと美貌を兼ね備えた美魔女が、着用する衣装(主にサリー・50着ほど準備をしたそうです)の多さと着こなしの美しさに時間の長さを感じないほど酔いしれました。
上品な声の美しさも素敵です。
大物俳優アミターブ・バッチャンを始め他のキャストも個性的な面々で面白さが倍増、何度観ても飽きない映画です。
インド映画に細かい粗探しは不要、楽しめればいいのです。
2018年2月24日、シュリデヴィ・カプールはまだ54歳という若さで突然他界されてしまいました。
甥の結婚式に出席するためご主人と次女と滞在したドバイのホテルの浴室で公には死因は気を失って溺死していたそうです。
『マダム・イン・ニューヨーク』の中では姪の結婚式出席のためニューヨークで素晴らしい経験をして幸せになったのに、この皮肉な運命は非常に残念で悔やまれます。
ご冥福をお祈りいたします。
 
余談・つぶやき
20年以上前になりますが、スリランカの知人たちとの食事会でのこと、
私のそばにスリランカの上流階級の夫人がふたりおりました。
知人が初対面だったふたりにシンハリ語でお互いを紹介し去ったあとで、夫人たちは自己紹介しあっていたのですがそれはシンハリ語でもタミール語でもなく英語でした。
しばらく英語で話をした後でいつの間にかシンハリ語に変わり親しそうに話始めました。
実に不思議な光景だったのですが、あとになって上流階級の人にはよくあるそうでお互いの語学力や知的レベルのようなものを先ず英語で話すことによって図り合うそうです。プライドの競い合いのようで少々怖い気がしました。
そのひとりのA夫人は私の両親が懇意にしていた方で、アメリカの大学を出て20歳で親の決めた(家同士の)お見合い結婚をされています。日本に住んだ経験はありませんが日本語も学んだそうで流暢に話せました。
「サリーなんか着ない」と言っていたお嬢様はインターナショナルスクールに通学していたので英語の方が得意で2年飛級で16歳でイギリス名門大学へ入学しています。A夫人も飛級で卒業されたのかもしれません。山一つある敷地の豪邸には沢山の使用人がいて、首都のコロンボにもお子様を通学させるための別宅を持っているいわゆるセレブでもありました。
今もカースト制度のような身分差別や家同士のお見合い結婚が多いのかどうかはわかりませんが英語が話せることの重みを感じたものです。
父の他界後は疎遠になってしまったので、今もこのような風習があるのかはわかりませんし、またインドとも違うかもしれませんが、この映画を鑑賞しふと思い出した出来事です。
★近年のおすすめのインド映画
★★★★『きっと、うまくいく』2009年・インドの工科大学を舞台にくりひろげる優秀でおバカな3人の青春映画『マダム・イン・ニューヨーク』と甲乙つけがたい面白さですが『きっと、うまくいく』の方が万人向きです。
★★★★★『スラムドッグ$ミリオネア』2008年・クイズに挑戦する若者の貧困と恋愛を描いた神の力を感じる数々の賞を受賞した名作。イギリス映画ですがインドが舞台でキャストもインド人です。
★★★★『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!! 』2012年・世界一のセレブ学園で繰り広げるNO1を競うコンクールの青春映画。尺が長すぎると感じますが真の友情を感じる終盤の展開がとても良いです。
★★『ロボット』2010年・SFコメディ、超高性能ロボットが引き起こす暴走劇

★★『神様がくれた娘』2011年・6歳の知能しかない父と5歳の娘の心の絆を描いた『アイアムサム』のリメイクのような映画

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