【チャイナタウン】1974年・続編【黄昏のチャイナタウン】1990年☆ジャックニコルソン名演光る不朽の名作アメリカ映画Chinatown &The Two Jakes

AMERICAN
時は過ぎても色褪せない普及の推理名作映画。
派手なアクションも大泥棒も存在しない。
酒と女と喧嘩に弱く仕事意欲のなさそうな中年私立探偵がジャック・ニコルソンの名演で哀愁漂ういい男に蘇る。
ジャック・ニコルソンをモデルに作られたシナリオである。
【チャイナタウン】はイギリス高級紙「ガーディアン」とその日曜版「オブザーバー」の映画批評家たちによる「永遠の名作映画」ベスト1を決める投票では1位を獲得、米脚本家組合が選んだ映画脚本ベスト101では3位を獲得している。
アカデミー賞10部門他ノミネート、アカデミー脚本賞受賞、ゴールデングローブ賞4部門受賞
鬼才ロマン・ポランスキー監督をイギリスから呼び、脚本家ロバート・タウンは17万5千ドルと言う破格のギャラ『ギャツビー』の脚本依頼を断ってその7分の1の2万5千ドルで精魂込めて書き上げた後世に残る素晴らしい脚本である。
正義が通らない街「チャイナタウン」。
人々は「適当が良い」と言う。
善良な者がいつの間にか罠にはまって犯罪に巻き込まれるような危険もある治安の悪い場所。
深入りせず怠慢でいることが生きてゆける手段。
私立探偵のジャックニコルソンも適当に飲んで遊んで、首を突っ込みすぎ身を滅ぼすことを警戒しているのだが内面は情が深いので心が傷つくのだ。
哀愁を感じるのはそんな過去を背負っているからかもしれない。
1974年にロマン・ポランスキー監督の【チャイナタウン】が制作され、16年の歳月を得た1990年主役ジャック・ニコルソンが自らメガフォンを取り監督を務めた【黄昏のチャイナタウン】。
関連シーンがあるので両作品見逃せない。
↑現在のカリフォルニア州ロサンジェルスチャイナタウン
チャイナタウンに近いダウンタウンの数々の映画で使われている「ミレニアム・ビルトモア・ホテル」の付近なども撮影で使われています。
《チャイナタウン・あらすじと特徴
世界大恐慌後の不安定な経済不況化にある1930年代後半、当時深刻な水不足であったロサンゼルス
私立探偵のジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)は妻と名乗る女から夫で水道局幹部のホリス・モーレイ(ダレル・ツワーリング)の浮気調査を依頼される。
ホリス・モーレイは仕事一途で生真面目な男であったがジェイクは彼が若い女とと密会写真を撮ることに成功した。
だがホリスのスキャンダルはすぐに新聞に公開され、ふたりは行方不明になった。
直後モーレイの本物の妻イヴリン(フェイ・ダナウェイ)が現れジェイクは告訴される。
ジェイクは水に関することで何か大きな組織が動き陰謀があると察知し真相を突き止めようと調査を開始したがホリス・モーレイは貯水池で殺害されていた。
ジェイクを告訴していたイヴリンは逆にジェイクを雇うことになったのだが今度はジェイク自身がダム建設をめぐる黒幕に襲撃される。
やがてジェイクとイヴリンは仕事上の関係を超えるようになる。
お互い言葉にしてはいないが惹かれあっていることは十分に伝わってくる。
何か秘密を握っているらしいモーレイ夫人を名乗った偽物アイダ・セッションズ ( ダイアン・ラッド)は殺された。
謎の多いイヴリンに鑑賞する側は疑いの眼差しを向ける。
後半では殺された夫ホリス・モーレイと共同経営者だった父ノア・クロス (ジョン・ヒューストン)との関係、父との確執。
行方不明の夫の愛人やイヴリンに隠された秘密が次第に明らかになっていく。
果たしてホリス・モーレイを殺した人物は、、、
ジェイクとイヴリンの関係は、、、
ジェイクのセンスの良い洒落た服装、背中の中心の縫い合わせが開いて緩みが出る珍しいデザインのスーツ(スリーピース)や、ポケチーフやネクタイ、帽子やカフスなど衣装のコーディネイトの素晴らしさにも目をひく。
ジェイクの腕の良さにを表しているのか、服装や喋り方から不況の中でも豊かさを得ているように感じる。
水源電力局の事秘書や登記所の職員の迷惑で事務的な対応、未亡人イヴリンの細い眉や無表情な顔、淡々とした低い抑揚のない独特な話し方、どのシーンにも細かい設定が施されている。
ジェイクが鼻を切られるシーンはリアル感があり怖さで見逃しそうだが監督ロマン・ポランスキーがギャングに扮しているのも見もの。
撮影の最後まで決まらなかったとされている(監督インタビューより)が結末には予想外の衝撃が待っている。
フェイ・ダナウェイやジョン・ヒューストンの名演にも脱帽。
ジェリー・ゴールドスミスの挿入曲が切なく全編に哀愁を誘う。

↑字幕付き予告動画
《黄昏のチャイナタウン・あらすじと特徴
第二次世界大戦が終わり落ち着きを取り戻しつつある1948年のロサンゼルス。
私立探偵のジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)の事務所も繁盛し景気が良さそうだ。
仕事の依頼は建設会社B &Bの経営者で同じ苗字のジェイク・バーマン(ハーヴェイ・カイテル)、彼の妻キティ(メグ・ティリー)の浮気調査を依頼される。(※混同しやすいので以降バーマンで記します。)
ジェイクがキティーの密会を盗聴中、乱入してきたバーマンによって相手の男ボディーンが射殺されてしまった。
射殺した拳銃がボディーンのものであったことなどからバーマンは不起訴処分になった。
ボディーンがバーマンと共同経営者であったことや盗聴していたテープにかつての依頼人で愛した未亡人『チャイナタウン』のイヴリンの名とその娘のことが語られていたことからジェイクはフラッシュバックする記憶に動揺が隠せず真相を探ろうと乗り出す。
ジェイクはキティーの尾行を始めたことでこの事件は単なる不倫による殺人ではなく石油会社ローリー社が絡んでいると直感する。
B &Bとローリー社との関係は癒着か陰謀か、、、
またボディーンの妻に遺産が入らない理由や不可解な地震に見舞われる原因。
盗聴テープになぜイヴリンと娘のことが語られていたのか、、、
全体にノスタルジー感が出ていて、ヴァン・ダイク・パークスの挿入曲も良い曲であるが前作のジェリー・ゴールドスミスの曲イメージが強いので続編としては少し違和感がある。
結末は「終りよければ全て良し」と感じるほど美しく幕を閉じる。
↑字幕付き予告動画
《感想
普通映画には選ばないであろう地味な男の不倫問題が端を発しストーリーは淡々と進んでいく。
理不尽な街でいかに生きていくか、この場所で幸せは存在するのだろうかと考えさせられてしまう。
自らが被害者ではなくても友や愛する人が不幸になっていく姿を見ることも不幸なのだ。
チャイナタウンとはいえキャストは白人アメリカ人がほとんどで夜のラストシーン以外あまり中国人や街並みは出てこないのも特徴の一つと言えるかもしれません。
両作品比較すると作風や空気感は近いですが【チャイナタウン】の方が素晴らしいです。
黄昏のチャイナタウン】は脚本家ロバート・タウンとの監督争いで生じた確執や1977年にロマン・ポランスキー監督がジャックニコルソン邸で子役モデル淫行事件を起こしている背景もあり、またジャック・ニコルソンが監督と主役を兼ねたことで細部にまでいき届かなかった部分や景気回復時代への変化も伴ったかあまり興行や評価は振るわなかったようです。
【チャイナタウン】の結末2案のボツになったハッピーエンドにしていたら生まれなかった黄昏のチャイナタウン】、また評価が下がったことで構想のあった3作目が作られなかったことを考えると2作比較鑑賞する価値は大いにあります。
巧みなストーリー展開と細かい配慮、万人ウケするおもしろい映画ではなく、じっくりと噛み締め余韻までも味わえる大人の映画です。
2010年に引退表明をしているジャック・ニコルソン、存在感が強く癖のある演技は出演するどの映画も楽しませてくれます。
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