【ぼくの大切なともだち】2006年フランス映画パトリス・ルコント監督軽快コメディ男の友情は何処に!Mon meilleur ami

Comedy.Lovecome.コメディ.ラブコメ

パトリス・ルコント監督
コメディーからシリアルな映画まで幅広いジャンルの作品を製作する監督ですが共通することは地味であっても後々まで記憶に残るインパクトの強さがあるからかもしれない。
常に傍観者目線を崩さず人間の心の動きを巧みに表現し淡々と主人公の魅力を引き出していく。
特にこだわりを持たない人物の普段の生活の中にも構図や角度や光によってこれほど美しさがあると感じさせる映像芸術性の高さにも魅了される。
ぼくの大切なともだち・前半あらすじ
美術商のフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は仕事のために葬儀へ出かけた。
その足で向かった自分の誕生会で葬儀の参列者が少なかったことを話すと共同経営者のカトリーヌ(ジュリー・ガイエ)にフランソワの葬儀には誰も行かないと言われてしまう。
カトリーヌは葬儀の前にオークションで経営難な時期にも関わらずフランソワが勝手に20万ドルの壺を落札してしまったことにも腹を立てていた。
友人と呼べる人が誰もいないことを指摘されたフランソワは壺を手放さない条件として10日以内に親友をつれてくる賭けに受けてたった。
ともだちリストを作って旧友の思う人物を訪ねたり、講演会へ出かけたりするフランソワだが友は見つからない。
それどころか自分は周りからも娘からも嫌われていることを思い知るのだった。
焦ったフランソワは度々乗り合わせる陽気なタクシー運転手のブリュノ(ダニー・ブーン)がすぐに誰とでも親しくなる様子をみて自分に友達を作るテクニックを教えてほしいと頼んだ。
ブリュノは嫌な顔一つ目せず好感を持たれるための練習に親切に付き合ってくれるのだった。
いつも明るく、大抵のことを知っている博学のブリュノだったが実は彼にも悩みや悲しい過去があった。
後半
10日後フランソワは真の友達を連れて行くことができるのか。
『星の王子さま』を宝物のように大事にしているブリュノの悩みや過去に起こった悲劇とは、、、
クイズ番組に出場するのが夢であったブリュノにチャンスが巡ってくるのだが、、、、

↑Mon meilleur ami予告動画(フランス語字幕無し)
《感想
自己に高い評価を持ち、他人への思いやりを持てず、物にばかり執着する男が、周りから好かれていないことを暴露されたことに反発し、友達を作る努力していくが見つからない、大人の中にある子供っぽい面をコミカルに引き出しています。
シリアスな悩みのはずなのに思わず笑ってしまったり。
身近にひとりはいそうなタイプですが、ほとんどの場合その性格は今更変わらないだろうと放っておく。
きっかけが些細な喧嘩であったとしてもフランソワはカトリーヌの躊躇しない指摘を受け自分と向き合うことで欠点に気づいていくし、仕事がらみでも誕生会を開き集まってくれる仲間がいるということは彼の本質に良い部分もあるからです。
良くなってほしいしきっと良くなる、と思うから言われるのであって、見放された人には何も言わないのが常で、ある意味愛されているのです。
その憎めない男をダニエル・オートゥイユが見事に演じています。
ここで重要な役は友達探しに協力を惜しまなかったタクシー運転手役ダニー・ブーンでいつも明るいブリュノと孤独や極度のあがり症という暗い部分を持つブリュノの変化や微妙な表情がとても素晴らしい名役者です。
このコンビはベストキャストです。
パトリス・ルコント監督作品は画像の美しさを重視した作品が多いですがこの作品は面白さの方が上に立っています。
デンポ良く大変面白い映画でしたが、結末のフランソワにもう少し変化を見せるオーバーアクションがあったら更に感動的になったかもしれません。
ブリュノがフランソワに58年から78年のパニーニのステッカーを集めていて王様ペレ以外全部持っている話をしているですから宙ぶらりんにせず、最後に思い出して探してあげるような誠意を見せても良かったのではないかとそれが残念でした。
更に欲を言えば講演会で隣に座った不気味な風体の男も友達を欲しがっていたのに振り切って逃げたままでしたが、何か後日に繋がりそうなインパクトがありましたのでワンシーンのみは惜しい。
個人的には、パトリス・ルコント監督作品の中で『髪結いの亭主』 と『橋の上の娘 』が好きですが年明けの気分で今回は軽快なコメディータッチで重さの残らない『ぼくの大切なともだち』をブログ感想に選びました。
『仕立て屋の恋』『親密すぎるうちあけ話』はプライベートの覗き見をから起こる展開が興味深いストーリーですが同性としてサンドリーヌ・ボネール(の演じる役)に嫌悪感を感じてしまい1度は鑑賞して良かったと思えますが再鑑賞するには抵抗があります。
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余談》
タクシー運転手のブリュノが大切にしているサン=テグジュペリの著書『星の王子さま』
その一節「君にとって僕は沢山いるキツネの1匹。でも、互いになじめば大事な存在となる。君は僕のたった1人の人。僕は君のたった1匹のキツネ」を書き留めていたブリュノ。この映画のテーマのキーワードでもある。
パトリス・ルコント監督オススメ映画
仕立て屋の恋』 Monsieur Hire (1989)・向かいのアパートに住む女性を窓越しに観察し愛してしまった仕立て屋の男と恋人の犯罪に気づかれたかと探るため近づいた女。駆け引きのつもりが愛に変わったようにも見えるのだが、、、果たしてサスペンスか恋愛かスローテンポであるがスリリングな展開に目が離せない。
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『髪結いの亭主』 Le Mari de la coiffeuse (1990)・12歳の頃から髪結いを妻にしようと夢見ていた男の夢はついに叶った。そして幸せすぎる日々が流れていくのだが、、、愛がなくなったのではなくその先の選択肢が違ったと表現するのか理解し難くもある心理を官能的に描いた珠玉の名作。
芸術作品を見るような映像美に加えマチルド役のアンナ・ガリエナがあまりにも美しすぎる。★
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『橋の上の娘 』La Fille sur le Pont (1999)・モノクロ映画「ぼくの大切なともだち」主演のダニエル・オートゥイユとヴァネッサ・パラディの落ちぶれかけたマジシャンと自殺願望のある女性との年の離れたラブストーリー。アイドルで幼いイメージの強いヴァネッサ・パラディがパトリス・ルコント監督によってこんなにも大人で美しい演技力のある女優に変わっるのかと驚きます。不思議な世界観に包まれ引き込まれる素晴らしい名作です。
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『列車に乗った男』 L’Homme du train (2002)年・銀行強盗のために小さな街に降り立った男は、偶然出会った街から外に出たことのない大学教授の家で寝泊りをさせてもらうことになった。当初会話の噛み合わないふたりだが、自分が潜在的に持っている夢や憧れの人生を相手が生きていることに気づき入れ替わりたい錯覚をも起こす。奇妙な絆で結ばれた糸はやがて、、、
レトロ感と哀愁が漂う名作ですが暗いです。秋の鑑賞は特にオススメです
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《類似する映画》
『画家と庭師とカンパーニュ』( Dialogue avec mon jardinier  )2007年フランス映画 監督ジャン・ベッケル 原作 アンリ・クエコ
2作品ともにダニエル・オートゥイユが主演の男の友情を描いた作品という共通点があり、ストーリーは違うものの主役の男の性格や展開が似ているように感じられます。
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《連想する映画》
終盤ブリュノがクイズ番組に出場するシーンが『スラムドッグ$ミリオネア』を連想します。
(原題: Slumdog Millionaire)2008年イギリス映画。監督・ダニー・ボイル
インドが舞台、クイズ番組スラムドッグ$ミリオネアに出場した無学の貧しい青年。彼の生い立ちをフラッシュバックさせながらクイズに勝ち進む涙ありの究極のラブストーリー。
 第33回トロント国際映画祭観客賞、第66回ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)、第62回英国アカデミー賞作品賞受賞。第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門他多数受賞。

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